—なんか書きたくなった北欧神話の三大魔物について、その3「ヘル」—

ヘルの詳細


 皆さんは、北欧神話をご存知ですか??

北欧神話とは、名前の通り北欧で言い伝えられている神話のことです。
詳しく説明すると、キリスト教化される前のノース人の信仰に基づく神話。
スカンディナビア神話とも呼ばれている。
ゲルマン神話の一種で、ノルウェースウェーデンデンマークアイスランドおよびフェロー諸島に伝わっていたものの総称。普通、フィンランド神話とは別系統のものとされる(wiki参照)


 そんな北欧神話に登場する「三大魔物」について記事別で紹介していきたいと思います。
 まずは、ゲームや漫画、アニメ、ライトノベルにたびたび名前が挙がる「ヘル」からです!

ヘル
(「隠す、秘密」の意)
Hel_(1889)_by_Johannes_Gehrts
(ヘルとガルム(ヘルヘイムにあるヘルの館「エーリューズニル」の番犬。)

 
『散文エッダ』の『ギュルヴィたぶらかし』では、ロキが巨人のアングルボザとの間にもうけたと云われ、フェンリル、ヨルムンガンドは彼女の兄弟である。ヘルだけはロキがアングルボザの心臓を食べて、その後に女巨人に変身して自らヘルを生んだという説もある。

ヘルはオーディンによって兄弟達同様に遠隔地であるニヴルヘイム(
北欧神話の九つの世界のうち、下層に存在するとされる冷たい氷の国。ヘルヘイムと同一視されることもある)へ追放された。
オーディンはそこに九つの世界において名誉ある戦死者を除く、たとえば疾病や老衰で死んだ者達や悪人の魂を送り込み、彼女に死者を支配する役目を与えた。その地は彼女の名と同じく「ヘル」(ヘルヘイム)と呼ばれる。

 
北欧神話の中で唯一、死者を生者に戻すことができる人物である。

 
ヘルの半身は青く、半身は人肌の色をしている。資料によっては上半身は人肌の色で、下半身は腐敗して緑がかった黒へ変色しているとされる。
これは彼女の体の半分が生きていて、もう半分が死んでいるということを意味している。 絵画では(左右)半身は白く、半身が黒い姿(あるいは半身が赤、半身が青)で描かれる。
 
フリッグ(オーディンの妻でバルドルの母。ロキの悪意によって息子バルドルを失う)の命を受けたヘルモーズ(北欧神話の神の一柱、オーディンの息子であり、アース神族に属する。〈俊敏のヘルモーズ〉とも呼ばれる)がバルドル(北欧神話の光の神である。オーディンとフリッグの息子)の蘇生をヘルに懇願したが
ヘルは、九つの世界の住人すべてがバルドルのために泣いて涙を流せば蘇生させてもいい、という条件を与えた。
しかし女巨人セック(北欧神話の女巨人で、実は変身したロキであるといわれている。殺害されたバルドルのために泣くことを彼女ひとりが拒否したため、バルドルはヘルヘイムに留まることを余儀なくされた)に化けたヘルの父のロキが涙を流さなかったのでバルドルが蘇ることはなかった。

 
ラグナロクのときは、死者の爪で造った船ナグルファル(北欧神話に登場する巨大な船。ムスペル(北欧神話に登場する、おそらくは巨人の一族。 南にある火の国「ムスペル」に住んでいるとされる)が所有する)に
死者達またはスルト(
北欧神話に登場する巨人。ラグナロクではムスペルの一族を率いてアスガルドを襲撃し、世界を焼き尽くすとされている)の一族または、霜の巨人族が乗り、巨人に加勢する死者の軍団がアースガルド(北欧神話に登場するアース神族の王国。死すべき定めの人間の世界 ミズガルズの一部であるともいわれる。)に攻め込んでくるという。
書物によっては死者の軍勢を送り、彼女自身はヘルヘイム(ニヴルヘルと同一視されているものもある)に残ったままという説もある。

 
ラグナロクが起きた後で彼女がどうなったのかはわからない。
だが冥界の住人がラグナロクが起きている間、慄いている描写があり、冥界は滅びなかったと唱える者もいる。

シーグルズル・ノルダル(
アイスランド人の学者であり、作家、詩人)は『巫女の予言(『古エッダ』の最初に書かれている、エッダ詩の中でも最もよく知られた一節)』について、バルドルやヘズ(北欧神話に登場する盲目の神。バルドルの弟で、オーディンの息子)、心正しい人々を残し、ヘルと彼女の支配する死者達は滅びたと解釈している。
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