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人知をはるかに超え、無限の広さを持つとも言われる宇宙について人間はまだまだ知らないことが多すぎるといえます。その中には、地球以外の惑星における知的生命体の存在が含まれているのですが、カナダのケベックにあるラヴァル大学の研究チームは、深宇宙から届いた数々の不可思議な電波を分析して、「おそらく地球外生命体によって発信されたものだ」とする論文を発表しました。

Strange messages coming from the stars are ‘probably’ from aliens, scientists say | The Independent
http://www.independent.co.uk/news/science/aliens-proof-evidence-facts-stars-scientists-extraterrestrial-life-et-intelligence-a7377716.html

論文を発表したのは、ラヴァル大学で研究を行っているErmanno F. Borra氏とEric Trottier氏です。両名は宇宙から届く電波の研究の中で、特に地球から遠く離れた深宇宙から飛んでくる電波をフーリエ変換して調査したところ、特殊な変調が見られることを発見。その特異な変調パターンから、これらが地球外知的生命体によって発された存在を知らせるための電波である可能性があるとしています。

この現象が見られたのは、観測された250万個の星のうち、わずか234個の星から届いた電波だけだったとのこと。その原因を説明できるエビデンスが他に存在していないことから、両名の科学者はこれらの電波が人為的(?)に発信されたという結論に至っているとのこと。論文には「私たちは、受信した電波の示す信号パターンが、従来の研究結果によって予測されていた地球外知的生命体による信号パターンと全く同一のものであると確認したことから、この仮説に合致するものと考える」という結論が書かれています。

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この論文は、科学誌「Publications of the Astronomical Society of the Pacific」の2016年11月版に「Discovery of peculiar periodic spectral modulations in a small fraction of solar type stars (ごくわずかの太陽型天体に見られる特異な周期的スペクトル変調の発見)」というタイトルで掲載されており、以下のリンクから閲覧することが可能。正式版になる前の仮タイトルではさらに踏み込んだ「Signals probably from Extraterrestrial Intelligence (地球外生命体からのものと思われる信号)」という表現になっていたとのこと。

Publications of the Astronomical Society of the Pacific, Volume 128, Number 969, 2016 November - IOPscience
http://iopscience.iop.org/issue/1538-3873/128/969

「さては地球外生命体の存在が確認か?」と色めきだってしまいそうな発表ですが、両名の科学者は同時にさらなる検証が必要であることにも言及しています。特に、同じ天体が存在する空間を複数の機材で観測し、同様の結果が認められるかどうかの確認が必要であるとしています。

この発表について、ホーキング博士らが主導する史上最大の地球外知的生命体探査プロジェクト「Breakthrough Listen」は「(知的生命体からの)メッセージである見込みがある」と見解を述べていますが、同様に「Borra氏とTrottier氏によって発見された、特異なスペクトルを持つ非常に珍しいケースは、さらなる調査に値するものです。しかし、並外れた主張を裏付けるためには、並外れたエビデンスが必要です」と声明で述べており、地球外生命体を探査する国際プロジェクト「SETI」の中から複数の観測施設を選び出して検証を行うことについても触れています。

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